チューリップが1億円!?
今日では考えられないことだが、チューリップの球根をおよそ一億円で取引していた時代がある。約1年間の間に価格が高騰、そして急落したが、後にこの期間を指して『チューリップバブル』と呼ぶようになった。
チューリップバブル
ネーデルラント連邦共和国(現在のオランダ)においてチューリップが栽培されるようになったのは1590年代とされている。当時のオランダの主な輸出品はジン(お酒)・鰊(にしん)・チーズであったが、1636年にはこれらに次いでチューリップが取引高第4位の輸出品となった。
投資家による先物取引を契機に価格は高騰し、1637年初頭にはピークを迎えた。貴族から使用人までもが市場に殺到し、一夜のうちに大金を得るものも多く現れたが、同年2月、チューリップ球根の価格は急落した。チューリップバブルがはじけたのである。
世界最古のバブル崩壊
チューリップバブルは世界最古のバブル崩壊と言われている。バブル経済の例として引き合いに出されることも多く、ビットコインはチューリップバブルと同じ運命を辿るだろうなどと言われていた。
バブルはなぜはじける
バブルはなぜはじけるのだろうか。それは『買い手がいなくなったから』に他ならないだろう。ではなぜ買い手がいなくなるのか。こればかりは誰にもわからないだろうが、ある日突然、皆が価値を信じられなくなるタイミングがやってくることは間違いない。そして買い手がいなくなったことを知った投資家たちは、我先にと売りに殺到し急落に拍車をかけるのだ。
投資ではなく投機だった?
チューリップのようないずれは枯れて土へ還るものに私財を投じた時代があったことは、にわかには信じられない。球根の平均寿命は1~2年とされており、1億円で手に入れたとしてもすぐに寿命はつきてしまう。すぐに転売しないと大損する時限爆弾のようだが、幸か不幸か、球根の寿命が尽きる前にバブルは崩壊した。
まとめ
信じることで価値は上がり、疑うことで価値は下がる。資産価値がその内在価値を超えた時、それはバブルと呼んでよいのかもしれない。1637年に1億円だったチューリップの球根は現在、100円前後で販売されている。