追憶の即席ラーメン サッポロ一番 中華そば

サッポロ一番 中華そば

お母さん:『食べるのはいつも』
タケシ:『サッポロ一番!』

でお馴染みのサンヨー食品『サッポロ一番 中華そば』は、1979年に発売された醤油ラーメン。メンマの香りが強くコクのある仕上がりとなっていて、66年発売の定番『サッポロ一番 しょうゆ味』が万人受けするメジャーなら、比較的クセのある『サッポロ一番 中華そば』は根強いファンを持つマイナーといった存在だった。

マイノリティは消えるのが世の常か、むちゃくちゃ旨かった中華そばも2008年には販売終了となってしまった。

復刻

『サッポロ一番 中華そば』は60周年と70周年で計2回復刻されている。食品でなければデッドストックにしておきたいところだが、インスタント袋麺の賞味期限は約8か月と儚く短い。

2013年:サンヨー食品創業60周年にて数量限定復刻
2023年:サンヨー食品創業70周年にて数量限定再復刻

復刻実食

復刻『サッポロ一番 中華そば』は5個パックで680円(税別)。

昔は液体スープが入っていないのが普通だったが、思わず探してしまった。麺と粉末スープだけのシンプルな構成となっている。粉末スープを開封した瞬間にメンマの強い香りが一面に広がり、最近の袋麺の粉末スープよりもずっと香りが強いことがわかる。

インストラクション通りに調理。メンマ・ねぎ・チャーシュー・なるとを載せた。見た目は、油膜もなく濁っていて、なんというかインスタント感がすごい。

実は「今食べたらおいしくないのではないか?」と思っていた。正直なところ、現在でも販売されている『サッポロ一番 しょうゆ味』や『ハウス食品 うまかっちゃん』を最近ではおいしく感じないことも、そう考える理由となっていた。

「歳をとったら即席ラーメンはまずくて食えなくなる。」最近ではそう思い始めていたが、嬉しいことにそれは間違いだった。

ひと口で記憶通りの味だとわかった。メンマの強い香りとコク旨味、むちゃくちゃ旨い。最近の袋麺に欠けているものがちゃんとある。夢中で食べ終わってしまった後に、「なんでこんな旨いラーメンを販売しないでおいしくない方を販売しているんだろう?」「うま味調味料が健康を害するくらいはいっているのか?」と考え込んでしまうくらいに旨かった。

コマーシャル


ミケ猫トマトさんのyoutubeチャンネルでは、昔のCMを大量に公開してくださっている。動画は1985年に放送された『サッポロ一番 中華そば』のCMだ。

まとめ

「昔から変わらず美味しいラーメン屋さんは、実は味を改良し続けている」
「昔は美味しかったラーメン屋さんは、実は味がずっと変わっていない」

ラーメン店についてこのように語られることがあるが、復刻された『サッポロ一番 中華そば』を食べて感じたのは、逆の場合もあるということだ。改良に改良を加えて進化したはずの袋麺のいくつかは、1979年に開発された袋麺に明らかに劣っている。