ベトナム戦争に従軍していたアメリカ兵が愛用していたZIPPOライターは、ベトナムZIPPOと呼ばれ、その希少性やストーリー性から約9万円の価格で取引されている。
ベトナムZIPPOとは
1954年~1975年の約20年にわたって続いたベトナム戦争。従軍したアメリカ兵にとってのZippoライターはただのライター以上の存在であったとされている。ピカピカに磨いて鏡のように使用したり、オリジナルのデザインを施してある種のアイデンティティを表現していた。
アメリカ軍のベースとなっていたベトナム南部のサイゴンなどでは、無地のZippoに手作りの刻印を施してくれる出店があり、アメリカ兵は小さなZippoライターに、思い思いのデザインやメッセージを刻んでお守りのように愛用していた。
手作りのため稚拙なデザインではあるが味があり、死と隣り合わせの戦地での思いをメッセージとしているからか、刻まれたメッセージには心に響くものが多い。
エロいデザインが人気?
愛する妻や彼女に会えないからだろう、エロいデザインも多い。毎日こんなZIPPOライターを眺めていたら、だんだんと御神体のような存在に思えてくるのではないだろうか。アメリカ兵にとってZippoライターはただのライター以上の存在であったというのも、うなずけるものがある。
偽物がいっぱい
本物のベトナムZIPPOは手作りの稚拙なデザインであることから、本物と偽物の見極めが非常に困難とされている。ベースとなるZIPPO本体が本物(1954年~1975年のモデル)で、かつ当時ベトナムで使用していた版型を使用して偽物をつくった場合には、見分けはつかないだろう。
ベトナムZIPPOの呪い?
グーグル検索で「ベトナムzippo」と打つと、検索候補として「ベトナムzippo 呪い」が表示される。しかし「ベトナムzippo 呪い」で検索しても、ベトナムZIPPOの呪いについて言及しているページはヒットしなかった。おそらく一定数の人が『ベトナムzippoには呪いのようなものがあるのでは?』と検索した結果だろう。
ベトナムzippoではないが、実際の戦場で使用された軍モノの商品を購入し、大変な経験をした人がいる。その方はそもそも霊感がないそうで、初めのうちは気のせいだろうと高をくくっていたが、周辺住民が、彼の部屋の前に立つ軍服姿の兵隊らしき人影を目撃するようになった。同じ建物の住人にも気味悪がれ、苦情が大家から伝えられるまでに事態が発展した頃、普通では考えられないような事故に遭い、数か月の入院となった。退院後すぐに彼は全ての原因であろう軍モノの商品を全てお焚き上げし、お祓いまでしてようやくそのモノから解放されたようだった。それが呪いなのか、たまたま運が悪かったのかはわからないが、人の想いが強く残ったモノには注意が必要なのかもしれない。
まとめ
死線を潜り抜けてきた、もしくは戦死したアメリカ兵の愛用品であったベトナムZIPPO。稚拙だがかわいいデザイン、深いメッセージ、希少性とストーリー性を兼ね備えた魅力的なライターだが、9万円が安いのか高いのか、そもそも値段をつけてよいものなのか、所有してよいものなのか、判断はひとそれぞれだろう。